眞子さまの結婚は、なぜ許されないのか? 皇室典範の立法者意思は明確である


文/小内誠一

眞子さまの自由意思はどこまで許されるのか?

秋篠宮家の長女・眞子さまが「結婚は生きていくうえで必要な選択です」と語った13日。それから一週間後の20日は、秋篠宮殿下が誕生日会見に臨まれ「二人の結婚を認める」と正式にこれを認めた。というのも「憲法には、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立」と書いてあるからだという。

憲法が認めるから、眞子さまと小室圭さんの結婚を認める——言い換えれば「憲法の建前がなければ二人の結婚は認めない」——そう秋篠宮殿下は仰ったことになる。事実、殿下は「決して多くの人が納得し喜んでくれている状況ではない」と述べた。この発言は2018年の誕生日会見で「多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況、そういう状況にならなければ、私たちはいわゆる婚約にあたる納采の儀というのを行うことはできません」と仰ったことが背景にある。

つまり秋篠宮殿下は「憲法を建前に結婚は認めざるを得ないが、イエとして執り行う婚約(納采の儀)はできない」という見解を述べたということになる。

憲法第24条には「婚姻の自由」が定義され、戦前のように家長の許可がなくても二人の合意さえあれば結婚はできる。慣習として結婚にはイエとイエのお付き合いという側面が色濃く残っているものの、結納や結婚式、披露宴といった婚姻行事を行わずに結婚する人も多くなっている。もちろん格式の高いイエになればなるほど結納など婚姻儀式を欠かさず執り行う傾向がある。日本最高の格式(?)を誇る皇室が、婚約(納采の儀)を執り行わないとなれば、まさに前代未聞の事態になるだろう。

笑顔麗しい眞子さま。自信満々なお姿に国民は大喜びだ——ならよいのだが。


納采の儀はハウスルールだが、法的根拠がある

一部週刊誌(週刊文春2020年12月10日号)などで「結婚は両性の自由、婚約にあたる“納采の儀”は法的根拠を持たない“慣習”にすぎないので執り行う必要はない」という論調を見かけるが、これは半分正解で、半分間違っている。“納采の儀”を執り行う必要は必ずしもないが、これを行うことは婚約決定したことが法的に認められることになる。

いわゆる“納采の儀”(結納)は「結納等の法的性質は婚約の成立を確証し、あわせて婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与」(福岡地裁小倉支部、昭和48年2月26日)や「婚姻の成立を確証し、あわせて、婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与」(最高裁、昭和39年9月4日判決)と法的根拠を持つ。

つまり“納采の儀”(婚約決定)を執り行った後に、皇室側から“破談”を宣告すれば小室圭さんに「賠償請求権」が生じることが確実になる。(もっとも、ここまで大体的に広報してしまっていれば、“納采の儀”をしていなくても婚約決定として認められるそうであるが…渡邉アーク総合法律事務所・渡邉正昭弁護士談)。



自民党議員の提言

伊吹文明さん

ところで秋篠宮殿下の誕生日会見が公表された4日後の12月3日、自民党二階派の最高顧問を務める伊吹文明元衆議院議長が、眞子さまと小室圭さんの結婚に苦言を呈し、「国民の要件を定めている法律からすると、皇族方は、人間であられて、そして、大和民族・日本民族の1人であられて、さらに、日本国と日本国民の統合の象徴というお立場であるが、法律的には日本国民ではあられない。眞子さまと小室圭さんの結婚等について、結婚は両性の合意であるとか、幸福の追求は基本的な権利であるとかいうことをマスコミがいろいろ書いているが、法的にはちょっと違う」と述べた。

つまり眞子さまは法律的には日本国民ではなく、基本的人権が制限されるのだから「結婚は両性の合意であるとか、幸福の追求は基本的な権利であるとか」は適用されない、と言いたいのだ。だがこれはミスリードがある。

男性皇族の婚姻には皇室会議を経る必要があり「両性の合意」だけで結婚できるわけではないが、女性皇族については「両性の合意」だけで結婚できる——というのが正しい理解である。皇室典範の立法者意思を見てみよう。



皇族の結婚には自由が制限される

皇室典範の制定を主導した金森徳次郎

たしかに天皇・皇族の婚姻は“両性の合意”だけではなく、皇室会議の承認を経る必要がある。このことは皇室典範制定時の議論でも取り上げられている。

殿田孝次議員 また天皇及び皇族は自由意思によって結婚ができない、それと同時にまた離婚もできない、〔中略〕これは全部新憲法によって保障された所の、人間の基本的人権に対する極端な制限であると私は考えます。

衆議院皇室典範案委員会議録(速記)第三回 第六類第一号(昭和21年12月9日)

ではなぜ、天皇・皇族の結婚は制限されるのかと言えば、それは皇位継承を守るためであるという。

金森国務大臣 憲法は一般原則及び特別原則を含んでおるものと信じます、従って婚姻につきましては両性の同意を唯一の要件とするといふ規定は、一般的の規定としてもとより尊重し、効力をもっておるものであることは疑いがございません、しかし特別なる規定をも含んでおるものであり、すなわち皇室典範というものが、第二条において予想せられておりまして、皇位継承ということと組合わさるる関係におきまして、ここに何等か特別なる規定が生じ来ることをも是認しておるものであろうと存じます

衆議院皇室典範案委員会議録(速記)第四回 第六類第一号(昭和21年12月11日)

もちろん皇位継承は男系に限られるため、婚姻に「両性の合意」を唯一の要件にしないのは、皇族男子だけに限られるという。

金森徳次郎国務大臣 特にここに皇族男子という項を抑えまして、皇族女子の婚姻のことをここに書きませんのは、皇位継承ということとの関係から、男系ということとの結びつきでできておるのでありますが、さような意味におきまして、婚姻自身はなるほど自由でなければならぬ、しかし皇位継承という面から来るやむを得ざる特例というものは、これに加えられてよいのではなかろうかというふうに考えて来ます

衆議院皇室典範案委員会議録(速記)第四回 第六類第一号(昭和21年12月11日)

以上の金森国務大臣の発言から「男系の皇統を維持するために男性皇族の結婚については“両性の合意”以外にも条件が求められるが、皇位継承の外側にある女性皇族については“両性の合意”だけで結婚できる」というのが皇室典範の立法者意思であると確認できる——なのだが、実際には「皇統問題にかかわる婚姻の場合、その結婚が公共の福祉に反するならば、“両性の合意”があったとしても破談にできる」というのがホンネとしての立法者意思である。詳細は以下の記事に書いた。

小室圭さん登場は、70年前から「懸念されていた」 皇室が“一方的に破談すべき条件”に該当


2 件のコメント

  • 小内さま

    この記事に寄せた私のコメントが消されてしまったので、再度投稿します。
    AIでコメントが消されるとは、どういう仕組みなのか、私にはわかりません。
    しかし、誹謗中傷ではないコメントが削除されたということは、明確な言論弾圧です。

    日本国憲法
    第二十一条
    1、集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
    2、検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

    日本国でこのような言論弾圧が行われていることに気がついてない人々が、まだ大勢います。
    この事実が、もっと拡散されますように。

    皇室が、不心得なものどもの食い物になって、税金が無駄遣いされることを危惧し、皇室などもう要らないという人もいます。
    ですが、大多数の善良な日本国民は、皇室に敬愛できる品格を求めます。今上天皇陛下、皇后陛下は、そうした国民の思いを真摯に受けとめられ、困難な状況の中でも日々精進されておられるのが私たちに伝わります。だからこそ敬愛するのです。そこには、男系・女系の区別など関係ありません。
    トランプ大統領をお迎えしたときの燦然と光り輝く天皇陛下・皇后陛下の堂々としたお姿を日本人として誇らしく思った人々は、大勢いると思います。
    日本国民の総意に従えば、品格のある世界に誇れる皇室は、続いていくでしょう。
    日本国民とともにある皇室の弥栄を願ってやみません。

    —-以下、消されたコメント—-
    令和の世は和を以て貴しとなす より:
    2020年12月6日 15:49
    小内さま
    ご無沙汰しております。
    コメントが復活して嬉しいです。ありがとうございます。
    皇室は令和で終わりで良いという声が、多くありますが、私は決して令和で終わりにしてはならないと思います。
    天皇家に敬宮愛子さまという素晴らしい皇女さまおられるのに、なぜ令和で終わりにしなければならないのでしょうか。敬宮さまがご誕生にならなければ、このブログに集う多くの人々は、秋篠宮家に皇統が移っていくのを指をくわえてみていなければならなかったでしょう。
    天が敬宮さまを私たちに授けてくださったのは、ご神意です。

    日本国憲法
    第1章 天皇
    第1条
    天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

    国民が、政治家が、この憲法を順守すれば、皇室は続いていくのです。あきらめてはならないと思います。

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  • 【主権在民】建前だけのきれいごと?

    今ほど民意が軽んじられている時は
    無いと思うのですが?

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