雅子さま「人格否定」の元凶は「湯浅長官ではない?」 美智子さま電光石火で“火消し”か


文/佐藤公子

国民を仰天させたご発言!

「雅子には依然として体調に波がある状態です。(中略)雅子にはこの十年、自分を一生懸命、皇室の環境に適応させようと思いつつ努力してきましたが、(中略)そのことで疲れ切ってしまっているように見えます。それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」

二○○四年(平成十六年)五月十日、東宮御所「檜の間」に澱みなく流れた殿下のお言葉の内容は、あまりに悲しいたた響きを湛えていた。前代未聞の“皇太子の乱″は、こうして始まった。

この翌日、宮内庁の湯浅利夫長官は、ご夫妻担当の侍従や女官などを集め対応を協議、関係者に「お気持ちに沿いながら、全力で対処を」と指示したという。

ところが、ご発言の三日後に会見した湯浅長官が発した言葉の内容は、恐ろしく期待を裏切るものだった。

曰く「(人格を否定する動きについては)具体的には何か思いつかない」「東宮職から情報が入ってこない」等々、汗水交じりに熱く語った。

しかも「ご会見直後の十一日に、ご真意を確認するために皇太子殿下に面会を申し出たが、実現しなかった」と、ご夫妻と自分との“溝”までをも、世間に知らしめてしまった。

ゴタゴタはさらに続く。宮内庁ナンバー・ツーの羽毛田信吾次長が「(ご発言の真意を)殿下が直接お述べにならなくてもいいと思う」と、独断で発表したのだ。より踏み込んだ発言をされることを恐れた末の“越権発言″は、意思疎通の欠如をあらためて印象づけた。

とはいっても“現場”の責任者は、湯浅長官に「情報が入ってこない」と名指しされた東宮職(皇太子ご夫妻専属の職員)である。そのトップである林田英樹東宮大夫は、さすがに湯浅長官らのような“虚勢”は張れず、「ご夫妻の心痛の深さを大変重く受け止めた」「(雅子さまについては)もっと早くから休養いただくなど、適切な対応ができていればと、申し訳なく思っている」と“反省の弁”を述べるにとどまった。もっとも「風通しがいい関係を作ることが大事だが、それが難しい」と、東宮職としての能力に疑問を感じさせる発言も飛び出した。

こうした宮内庁幹部の混乱ぶりとは裏腹に、皇太子殿下のお心は決まっていた。殿下は「(ヨーロッパ三カ国ご訪問の)帰国間もない時期からご自分の言葉で説明したいとの意向をお持ちだった」(林川東宮大夫)のである。

だが「なるべく日を置かずに真意を聞きたい」と言っていた湯浅長官が“お召し”を受けたのは約二週間後の六月八日、文書による「真意ご説明」の当日だった。

両陛下のお気持ちとご助言

こうした宮内庁の鈍重な反応とは裏腹に、天皇皇后両陛下のご対処は、実に素早いものだった。

まず、会見からわずか二日後の五月十三日、ご発言に至る経緯を少しでもお知りになろうと、関係者(藤森昭一元長官、鎌倉節前長官、湯浅利夫現長官、渡辺允侍従長)を「ご夕餐会」と呼ばれる私的夕食会にお招きになる。

その席上、両陛下は殿下のご発言に驚かれたことを述べられたうえで、出席者に対しては「雅子さんが活躍できるような、新しい公務を作ってやってほしい。力になってやってほしい」と語られたという。

さらに、皇太子殿下のご帰国(五月二十四日)直後には、「いま一度、自分の言葉で話をなさったほうがよいのでは」(美智子さま)「むしろ今後の皇室改革のことを話すのがよいだろう」(天皇陛下)とお心添えをされたという。

この時のメディアは「美智子さまの慈愛・慈悲は素晴らしい!」「美智子さまは雅子さまの心に寄り添っておられる」と大絶賛していた。

美智子さま。「私は誰よりも雅子さんに寄り添っている」と懸命にアピールされたという。

ご夫妻のお気持ちは変わらず

果たして、皇太子殿下の“ご真意”は文書で発表された。だが、妃殿下の人格を否定した人物や勢力については「対象を特定して公表することが有益とは思いませんし、今ここで細かいことを言うことは差し控えたい」と明言を避けられ、ご夫妻のご心痛の原因を窺い知ることはできなかった。

ただ、雅子妃殿下について殿下は「伝統やしきたり、プレスへの対応等々、皇室の環境に適応しようとしてきた過程でも、大変な努力が必要でした。私は、これから雅子には、本来の自信と、生き生きとした活力を持って、その経歴を十分に生かし、新しい時代を反映した活動を行なってほしいと思っています」と、過去の会見などで述べられたお気持ちを、再び強調されている。

この文書の中には、明確なかたちでの“宮内庁批判”はない。だが冒頭で「(雅子さまの)人格の大切な部分を否定するような動きがあった」と再び触れられたばかりか、宮内庁が期待したであろう根幹部分についての訂正や陳謝は口にされなかった。宮内庁に対する不信は、いまだ払拭されてはいなかったのである。

「湯浅長官の時代のことではない」!?

ご真意のご説明からほぼ一週間が経過した六月十四日、林田東宮大夫が奇妙な発言をする。その発言とは、皇太子殿下が(五月会見の)翌日に「(人格否定の動きは)湯浅長官の時代のことではない」と補足して述べられていたというものだった。

だだが湯浅長官の面会要請を拒まれていた殿下が、わざわざ湯浅長官への擁護を口にされるだろうか。むしろ「湯浅長官の代に始まったことではない」と解釈する方がよほど辻棲が合うだろう。

こうした自己保身ととられかねない動きは、他にも露見している。宮内庁は、「人格否定発言」の後に国民から寄せられた意見(約二千三百件)の公表を避けたばかりか、職員に対しては、庁内LANを通じての閲覧も禁止したのである。これには「批判的な意見がマスコミに漏れないようにしたんでしょう」と反発する現役職員もいたほどだという。当時宮内庁で働いていた小内誠一さんは次のように回顧する。

「もちろん宮内庁内でも、人格否定した犯人探しが始まりました。大方の予想は、宮内庁参与などの重鎮方であろうと推測していました。美智子さまは電光石火の対応で『いま一度、自分の言葉で話をなさったほうがよいのでは』と時の皇太子殿下に心寄せました。

ですが皇太子殿下に、犯人を特定できるような発言はできないと予想した上でのご発言です。むしろ『急いで火消しに走った』ように私には見えました。ここらへんに人格否定発言の元を考察するヒントがあるのではないでしょうか」


5 件のコメント

  • いつの世にも、思いも及ばぬ「災禍」があるものですね。
    これが長年に渡り(20年以上)続いたとは、情けないことです。
    未だに終了とは言えません。例えば「馬アレルギー事件等)
    表に立たなくとも、心から今上天皇皇后をお慕いしてきた一人として、言えることは
    私と同じお考えの国民が多数おられると信じております。
    令和がつつがなく続くことを祈っております。

    364
    1134
    • ハーバード時代の刻苦勉励、外交官時代の夜討ち朝駆けの激務をこなしておられた雅子さまが不適応になられるほどのことが、皇室内であったとしか考えられません。
      愛子様に会えない会見、私的海外旅行批難とも見えた会見。イジメをした相手への御慈愛発言。いろいろ考えさせられます。

      今は全てを受け止めて、心安らかに過ごそうと思っておられる御様子に安堵しております。

      令和の弥栄を祈っております。

      316
      1115
      • 令和3年、1月末に於いて尚、民意を
        置き去りにして、

        非ぬ方向へ進もうという動きに歯止め
        が掛かって居りません。

        睦まじく品位在る今上御一家の報道は
        、後回しにされ続けて居ります。

        ”にほん”は何処に引きずられて往くの
        でしょうか?

        声無き民に、選べる途は在るのでしょ
        うか?

        12
        1091
  • 先ほど今年の漢字「密」が発表されました。

    過去20年間の漢字も参考までに出てましたが、2006年は「命」※悠仁さま誕生、と注釈が書き添えてありました。

    一般人の投票もあり、9月6日生まれの為ちょうど投票が集まる時期、さらに数十年ぶりに男子が生まれた皇室に対する政府の忖度もあって選ばれた気がします。

    2001は年「戦」
    アメリカニューヨークのテロ事件があった年です。

    確かに、世界的にはインパクトが大きい出来事でしたが、その年の日本の漢字にはふさわしくない。
    もし、早くから女性天皇が皇室典範で認められ、 敬宮愛子様の誕生日が12月1日でなかったら「愛」が間違いなく選出されていたでしょう。

    歯痒い思いですが、過去は過去。
    人格否定や流産などつらい思いをして、かけがえのない命、敬宮愛子様を産んでくれた雅子様に改めて敬意を表したい。

    令和という新しく始まったばかりの今を天皇皇后両陛下と共に歩んで行きたいです。

    264
    1103
  • 人格否定発言。

    当時の皇太子殿下が特定の人物の名前を言わなかっただけで、皇太子殿下、皇太子妃殿下は誰なのかわかっておられた。
    その方々は皇太子殿下に感謝すべきですね。
    そうでなければ、その方々の今はないのですから。

    これからの人生が天皇皇后両陛下にとって良いものであることをお祈りします。
    天皇皇后両陛下がこれからもご夫婦仲よくお過ごしくださいますように。

    234
    1100
  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です