“秋篠宮家バッシング”に見る、メディアの「情報戦争」と、雅子さまの「凄み」


文/稲生雅亮

「海の王子」から「借金男」へ

眞子さまが11月13日に発表した「結婚は生きていくうえで必要な選択」という文章。そして、11月20日に収録された誕生日会見で秋篠宮殿下は「結婚を認める」と高らかに宣言した。だが、結婚へのハードルは下がっていない。小室圭さんは依然として沈黙を守ったままだ。母の借金報道以降、小室圭さんは「眞子さまのお相手にふさわしくない男」として叩かれ、爽やかな「海の王子」から「踏み倒し男」へと評価を下げられてしまう。

その後、騒然とする日本を脱出し、米国留学を決意した小室さんだが、その後も「小室叩き」は続き、それはやがて「秋篠宮家はこの問題を放置しているのか」という批判に転化した。

2019年3月、眞子さまの妹である佳子さまがICUの卒業式でこう語った。

「私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」

「姉の件に限らず、以前から私が感じていたことですが、メディア等の情報を受け止める際に、情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だと思っています。今回の件を通して、情報があふれる社会においてしっかりと考えることの大切さを改めて感じています」

踏み込んだ「メディア批判」は「佳子さまの乱」として大きな反響を呼び、それまでプリンセスとして人気の高かった佳子さまが、まさかの「ヒールターン」を演じてしまうことになった。

週刊誌はこぞって佳子さまの発言のうち、メディア批判の個所については目をつむりつつも、眞子さま結婚を容認する姿勢については「宮内庁関係者」に批判させた。

「一個人とは皇室の方が使うべき言葉ではない」(週刊新潮2019年4月4日号)

「姉妹でタッグを組み、ご両親に反旗を翻したともいえる」(週刊文春2019年4月4日号)

ほとんど論調は同じで、これだけ週刊誌が同じ論陣で統一されるのは珍しい。情報ルートが限定されているために起こる現象と思われるが、国民の間にいまだ根強い伝統的な皇族のあり方と、ICUで普通の大学生と同じように学んだ眞子さま、佳子さまのメンタリテイには大きなギャップがあることをメディアは理解しようとしない。

眞子さまと佳子さま

「即位拒否発言」と「刃物騒動]

即位否定発言

秋篠宮家を渦中に迷い込ませているのは、眞子さまの結婚問題だけではない。

2019年4月には、秋篠宮家バッシングに拍車をかける2つの事件があった。1つは朝日新聞(4月21日)が報じた秋篠宮さまの「高齢で即位はできない」という趣旨の発言。そしてもうひとつは、お茶の水女子大学付属中学校に通われる悠仁さまの机に刃物が置かれていた事件(4月26日)である。

朝日が報じた秋篠宮さまの発言とは次のようなものだった。

〈「兄が80歳のとき、私は70代半ば。それからはできないです」

一昨年(2017年)6月、天皇陛下の退位を実現する特例法が成立した後、秋篠宮さまが皇位継承についてこう語るのを関係者は聞いた。当事者として、高齢で即位する難しさを指摘した形だ。代替わり後、秋篠宮さまは皇位継承順位1位の「皇嗣」となる。「天皇になることを強く意識している」という皇室研究者の見方が報じられると、「そんなこと思ったことがない」と打ち消す発言もあったという〉

新天皇の即位後、秋篠宮さまは皇位継承順位1位の「皇嗣」となり、長男の悠仁さまが2位となる。しかし、「兄のあとはできない」という発言は「皇位継承の拒否」ではないかと批判されたのである。

いまなぜ、このタイミングで朝日は記事を出したのか——メディアの注目はそこに集まった。朝日新聞は秋篠宮家ともっとも太いパイプを持つメディアと見られている。岩井克己さん(元朝日新聞編集委員)さんは、政府が「皇女」の制度を検討しているという報道(読売新聞11月24日付)よりも前に、この「皇女」に言及していた(週刊朝日2020年11月6日号)。

「皇族の発言内容に誤報は許されない。当然、宮さまご本人の了解があっての記事だろう。皇室典範に対する挑戦のように思える内容が、もし秋篠宮さまご本人の意向で出されたのであれば、皇室の将来にとって重大な意味を持つと私たちは受け取りますね」(大手通信社皇室担当記者)

秋篠宮さまの真意がどこにあったのかは分からない。だが結果として、この報道は「皇位継承拒否発言」としてネガティブに報道されてしまう。

刃物事件

また2019年4月26日の「刃物事件」はセンセーショナルに報道された。

幸いにして犯人は「平成」のうちに検挙されたが、いまなおはっきりとした動機は分かっていない。

1993年の「美智子皇后バッシング」は、皇后さまの「失声症」というショッキングなできごとを受け、またたくまに沈静化した。通常であれば、皇族の身に災いが降りかかれば、世論は同情し、苦難を乗り越えて欲しいと願う。

しかしこのときは、擁護どころか紀子さまに批判の矛先が向けられた。事件のあった当日夕方に、悠仁さまと紀子さまが長野県にスキーに出かけたのは「危機感がなさすぎる」というものだ。

実際は、紀子さまはスキーにでかけておらず、悠仁さまの「1人旅行」だった。確かに刃物が置かれる事件はあったが、当初学校側が何かのいたずらと思い、警察に通報していなかった。悠仁さまの旅行は予定通りで、宮内庁が翌日に事件を把握したため、連絡を受けた悠仁さまはすぐに帰京したのが事実である。

それが「紀子さま“刃物事件”からスキー直行の戦慄!」という記事になってしまうのである。これらはまさに、現在の皇室記事が明確な「角度」をつけられていることの傍証である。

外交官としての「凄み」

令和の時代が幕を開けて以降、天皇陛下と雅子さまに対する批判めいた記事は一切見られない。

に対する批判めいた記事は一切見られない・雅子さまは皇太子妃時代、厳しい批判報道を受け、当時の皇太子さまが記者会見で「(雅子妃の)人格を否定するような動きがあった」と発言された、いわゆる「浩宮の乱」もあった。

しかし、いまは違う。先のトランプ大統領来日時には、通訳なしで完壁なやりとりをこなした元外交官の「凄み」を感じさせた雅子さまに、国内メディアは絶賛の嵐。秋篠宮家に対する報道とは実に対照的だった。さる宮内庁職員が語る。

「結局、メディアは皇室のなかの誰かを批判対象にしながら、勧善懲悪の構図を国民に印象つけたがる傾向にあります。しかし実は、その報道の手法、論調、スタイルが、皇室をめぐる全体状況を見渡したとき、もっとも旧態依然としている部分だと思うのです。各種世論調査を見ても、小室さんと眞子さまの結婚に反対している国民はそれほど多いわけではなく、無関心や日和見が大半です。

識者の中には賛同する人も多いことも事実で、7年前から交際している若い2人を、母の借金報道で引き裂くのはおかしいと考える人もたくさんいます。宮内庁内部から情報を出す人間と、それを引き取るマスコミにこそ、令和の時代にマッチした皇室報道を考えていただきたいと思いますね」

眞子さまだけではなく、愛子さま、佳子さま、悠仁さまにも結婚するときが訪れる。そのとき、日本人はどのような皇室のあり方を希求するのだろうか。


16件のコメント

秋篠宮夫妻の写真は、もう見たく有りません。
この内容でしたら、雅子皇后でも宜しかったと思いますが。

秋篠宮家のバッシングは、至極当然の事の様に思いますし、因果応報的な事かとも考えます。

平成時代、宮内記者会を牛耳ってられた朝日新聞元編集委員の岩井克巳氏。
女帝殿の号令の元に雅子皇太子妃に対する熾烈なバッシング。

令和の時代が天皇家にとりまして、安穏無事でありますように願います。
又謂れの無い誹謗中傷が、平成時代の様に雅子皇后や敬宮愛子内親王に、降りかから無い事を切に願います。

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皇后陛下の「凄み」とは人間として、嘘が無いことだと思います。天皇陛下と共に、日本のために社会のために、ご自分を役立たせたいというお覚悟が国民に伝わってきます。皇太子妃の時代には、なかなか実像が国民に伝わってこなかったけれど、実際の皇后陛下のお姿を見ればわかります。国民の眼は節穴ではありません。

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おかしな記事を書くのはタケロウさんだけで充分です。

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眞子さまの結婚については、小室圭さんの父親もその両親も自殺ということを知ってしまったら、もう疑問しか湧きません。そのことはテレビや新聞では報道は一切無いので、400万円の借金だけが問題と思っている人も世の中には多いのではないでしょうか。また小室圭さんの色々な写真もテレビ等では報道がありません。

なお夫は皇室には全く興味がありませんが、正装した小室圭さんの母親をテレビで見て、皇室とはそぐわない雰囲気に驚いていました。社会経験の豊富な人なら驚くのではないでしょうか。

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美智子さんが失声症(不思議に清子さんとは会話で来た)になった頃、朝日新聞へ銃弾を受けて記事も偏り出した!宮内庁記者(今は皇室ジャーナリスト)は、天皇陛下(皇太子殿下)の事を「長男」と呼び皇后陛下(皇太子妃)の事は「雅子と呼び捨て!」だった!
今も記事に皇后陛下ではなく「雅子様」とある。令和は始まったばかり!令和が永く続きますように次の御代は、敬宮愛子内親王殿下になる事を祈念します。

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そもそも国民の多くは日本のマスコミはあまり好きじゃないと思いますよ。
下品で個人のプライバシーに土足で踏み込み、雑誌を売るためや視聴率を取るためなら、嘘や捏造もお構い無しでしますからね。
皇族がそんな輩と懇意にしている時点でそんな皇族を敬う事は出来ません。
今上陛下皇后陛下はどんなに捏造された批判を受けてもマスコミに迎合される事はありませんでした。それはマスコミに言い訳をする必要が無かったからです。
特に皇后陛下は長期に渡り芸能人以上に酷いバッシングを受けていましたが
じっと耐えてこられた。マスコミを使う事もなく、宮内庁長官の口を借りて他人を批判することもありませんでした。本当にご立派です。
このお二人が天皇陛下皇后陛下で本当に嬉しく思います。

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よくぞ耐えられたという以上に、
泰然とおわしました。

常人ならば、長官の口を借りて
『無礼者!』ぐらいは言いたい
処ですよねえ。

至り難い御境地と拝します。

尊崇の念止み難し。今上御一家
は世界に誇れる方々です。

戴けることを光栄に思います。

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国民の象徴たる天皇は、先ず国民に思いをいたし、安寧を願うのが本意。
ご自分のことが中心の方には、天皇は勤まりません。
「兄が80歳の時、自分は70代半ば、それからは出来ないです」
本当に仰ったのでしょうか?
「80歳前に自分に代えろ」と言ったのと同じ、神をも恐れぬ不遜の言葉。
よくよくお考えの上、皇嗣辞退して頂きたいと思います。

332
1206

前後もケジメも無い”殿下”の事と、
相手にもされず見過ごされがち
ですが・・。

一部皇族(もどき)の劣化の深刻
さを、簡潔・明瞭に御指摘戴き、
胸のすく想いが致します。

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オレは知っているンだわ
いま菊の紋で秋篠宮家を口汚く罵っている人の多くは、数年前までは雅子さま愛子さまをバッシングしていたことを

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①平成の皇后様へのバッシングが秋篠家に乗り換え,勧善懲悪を形作って報道しているような書き方だが、皇后様の場合,無い事無い事ばかり報道され,現在の秋篠家は全てある事への批判,つまり因果応報である。

②小室氏との結婚についての世論調査,そのような事本当にしたのですか?
関心の無い人も多いのは知っているが,だからと言って賛成なのでは無い。
それが最近の宮内庁への抗議電話の多さにも現れているし,皇室の事だから関係無いと思っているようだが,何だか腹立たしい,それが菅内閣の支持率に現れている。

③【国民の間にいまだ根強い伝統的な皇族のあり方】
これは筆者の違った見方で,国民は憲法も知っているし,常識的で皇室に敬意も持って判断している。その目に照らすと,【ICUで普通の大学生と同じように学んだ眞子さま、佳子さまのメンタリテイには大きなギャップがあること】
それでは彬子女王様は?
遥子様は?承子様は?
何よりも若い敬宮様は?
メディアが理解しないのでなく,秋篠家が皇族である事の役割を理解していないのではないか?
④皇后様は『優秀ゆえ』『外交官だった』で,勝手に壁を作って,あたかもそれだけが取り柄のように報道する評論家やマスコミもいるが,皇后様の本当の強さは『努力を惜しまない』『謙虚で素直である事』『おおらかである』
だから流れがいつの間にか,自分の好きな人に吸い寄せられるように皇后様に集まるのである。

最後に秋篠は決して『皇位継承を拒否』したのではない。
彼は兄宮から奪えるものは奪いたいといつも思ってるいる。逆に言えば,自信は無いが貰っておきたいのである。
筆者には,もっと深い観察を望みます。

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同感です。皇位継承順位から言えば、必然的に天皇になるはずなのに、わざわざ立皇嗣の礼なる儀式を経て、何かあれば生前退位を迫る勢いにしか見えませんでしたが、眞子様問題で皇嗣も風前の灯火状態ですね。
青写真はご立派ですが、計画倒れは目に見えてぁます。

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令和元年の12月9日の皇后陛下のお誕生日のお言葉は、国民の意識がSDGsに向かうように意識された文章であったと思います。(アフガニスタンで長年医療活動をされてきた中村哲さんが現地で命を落とされたことにノーベル賞受賞者吉野彰さんよりも先に触れられています。お二人の日本国民の個人名を出されていることの意味は大きいと思います。)

なぜ私たちがSDGs について考えないといけないのか?それはもう国民の生活が限界地点に来ているからです。(IT長者はテキーラ一騎飲みなどに興じている場合ではない。社会で築いた富は社会に還元する方向で使うべき。資本家こそSDGs を実践して行く責任がある)

Kさんは、眞子様や自分に取って益となる人物に対して見せる顔と全然異なる本質を持った人物だと思います。秋篠さんはこの結婚がSDGs(継続可能)
と判断した上でお認めになられたのでしょうか?

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今以て、退位爺婆や、○呆ノ宮絡みの下ら
ない報道が、主要全国紙に於いてさえ垂れ
流され続けている。

こんな状況では、今上御一家の御身の安全
が確保されているのか懸念が深まる。

確かめる術さえ無い、我が身が恨めしい。

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ABOUT US

稲生雅亮
元時事通信社編集委員、宮内記者会会員。明治大学卒業、時事通信社東京本社入社。大阪、千葉、岩手など地方支社局勤務の後、昭和48年本社に、同年宮内庁担当。昭和52年編集委員に。平成8年退社まで宮内記者会会員。昭和天皇崇敬会会報『昭和』に定期執筆。そのほかに、人物往来社や秋田書店などの皇室専門書を執筆、テレビの皇室特別報道番組、新聞、雑誌座談会など活動は多岐にわたる